第11回高校生クイズ 四国・岡山大会回顧録

②ペーパークイズ~準決勝編
▼2回戦は3択100問のペーパークイズ。全国統一で他の予選ブロックでも同じ問題が出されている。

問題がどこにあるかというとさっきまで僕らが走ってた「YES」「NO」と書かれた大きいシートの裏。
問題は順番に並んでなく、バラバラに貼られていたので苦労した。

ペーパクイズをやり終えたあとはバスで瀬戸大橋記念公園に移動。このバスの中でお弁当が配られた。

公園の入口から遥か遠くに記念館という建物があり、そこにペーパークイズの結果が発表してあるという。
福沢さんの合図と共にみんなが一斉に走る。

ここではI井とS井が猛ダッシュ。僕も足は遅いほうではないのだがこの2人のダッシュがすごくて全然追い付けなかった。

1番最初に到着したI井たち。しかし「高知高校」というボードがない。焦るI井。
そこへ「裏にもあるよ!」とスタッフの声。裏にまわって高校名を見つけて喜ぶI井。
そこへ僕が遅れて到着してI井と抱き合って大喜び。
この模様はばっちり放送され、今見るとちょっと恥ずかしいけどこの時は嬉しかった。

僕はI井たちが喜んでるのを見て合格を察したけどよく考えると高校名のボードは見てない(笑)。

高校生クイズといえば合格と思わせておいて実は敗者…という大どんでん返しが名物(実際この回でも他のブロックではそういうことがあった)。
歩いてる時に「もしかしてどんでん返しあるんじゃない?」とI井に言ったがI井は有頂天で聞く耳を持たなかった。
僕もペーパーは結構できたのでまあ大丈夫だろうなとは思ったけどそれでも安心できず、ペーパーの敗者復活が始まって「ああ僕たちは勝ったんだな」と思った。
(ビデオを見返すと福澤さんは「屋上に【合格者のチーム】が描かれている」と言っており、こういうことを言った時はどんでん返しはないけどそこまで判断する余裕はなかった)。

後で発行された単行本を読むと僕らは四国・岡山40チーム中2位で高知県では1位だった。
▼I井がナンパした土佐高校の女子チームはここで落ちてしまった。
そのうちのショートカットの子がYES/NOでアップだったシーンは全国大会のCM、全国大会のYES/NOのダイジェストのシーン、優勝の高志高校が優勝旗をもらった次のシーンなどで使われており、この四国予選でもペーパークイズの発表の時などでもこの子は写りまくりだった。
▼敗者復活で岡山・備前東高校が抜けた後、準決勝開始。

ルールは早押しで正解すると前に行ってジェスチャーゲームをする。ジェスチャーの正解が累計10Pになると勝ち抜けで勝ち抜けるのは各県4チーム中2チーム。

この形式は昨年の第10回の全国大会の準々決勝とほぼ同じ。昨年見てて面白いなと思ってたのでこの形式ができるのは嬉しかった。

高知県で残ったのは高知高校2チーム(僕らとO本チーム)、高知学芸高校、土佐塾高校。
名前だけ見れば学芸と土佐塾が有力だけどこの頃の高校生クイズはまだ進学校じゃない高校が進学校に勝つこともあったので負ける気はしなかった。

早押し機に入ったのは各県4チームで全部で20チーム。
それまでも教室でウルトラクイズのおもちゃの早押し機(全国大会の宿舎で東大寺が使ってたやつ)を使って早押しはやっていたがあれは6端子。
今回のように20端子で早押しするというのは初めてだった(ここにいる全員そうと思うけど)。

それでも自分はちょっとは早押しが早いと思ってたけど20端子の壁は厚く、押しても押しても解答権が得られなかった。

まず最初に早押し機のチェックで全チーム1回ずつ押して、そのあとスタッフが手をたたいたらみんなが一斉に押すというのをやった。
これは5、6回やったが1回もつかず。
1回、O本チームがついたのはびっくりしたがそれでもクイズの問題がわかるというのはまた別の話なので彼らのことは気にしてなかった。
▼第1問
「その源は石鎚山脈。別名を四国三郎/」
「吉野川」をどっかのチームが答える。
僕はこの問題はわからなかったがI井が「なんだ、そんな簡単でいいのか」というので「簡単だからどんどん押していこう」と僕が言う。

第13問
「容量が350mlのコーラやジュースの缶。一般に/」
後ろの2階席からボタンを押した音がする。
「アメリカンサイズ!」

そんな単語は知らない。しかも押したのはO本チームのS村。まさか高知県初正解がこことは思わなかった。ジャスチャーで4P獲得。
▼何問めでどのチームが抜けたかというのはわからないが、1抜けしたのはペーパークイズ40チーム中1位の高松高校。さすがペーパー1位だがこの高校は決勝で負けてしまう。

1つの県から2チーム抜けると当然あとの2チームは敗退になり、早押し機から撤退するのでライバルが減るがそれでもなかなか解答権が得られなかった。

第24問
「今年5月、初のエッセイ『P.S.I LOVE/YOU』」
僕「なかやま…」
福沢さん「高知高校I井チーム!」
僕「あ、中山美穂」

「高校名を言われてから答えるように」と事前に言われてたのに初めてボタンがついたので舞い上がって先に答えてしまった。

これは当時の「月刊明星」で読んで知っていたが覚えようとしたわけではなく、なんとなく読んでいただけで、「I LOVE」で押したのは自分でもびっくりした。

なおこの問題はこの年の第15回ウルトラクイズのドミニカ共和国でも出題された。

この年のチャンピオンの能勢さんは著書でそのシーンを「そんな高校生クイズみたいな時事を出すなよ」と書いてたが本当に高校生クイズの、それも地方予選で出てたのです(笑)。

ジェスチャークイズは僕が出す係になった。
ここでは5P獲得。
さっきのO本チームとは1Pしか違わないがその1P差が大事(なぜなら5Pなら2回でいいが、4Pだと2回でだめなので)。

「今のとこ高知県トップやねえ」とI井と小声で話してた。
▼第29問
「ディズニー映画の白雪姫とピノキオ。「星に願いを」という曲が/」「ピノキオ」をまたもO本チームのS村が答える。

この問題も全くわからなかった。
でもまあこのチームはさっき4Pだったから大丈夫だろ…と思ってたら
「シュワッチ!」→「ウルトラマン!」
「ちょきちょき(といって横に歩く)」→「カニ!」
「競馬!騎手!」→「武豊!」
と2秒に1問のペースで正解し、あっというまに6問答えて勝ち抜けた。

YES/NOの時は「わからんからI井たちについていくわ」と言ってたこのチームが高知県1抜けとは…。

この時点で岡山、香川、愛媛は2チーム勝ち抜け。徳島も1チーム抜けてるのでO本たちは全体では8番目の勝ち抜け。
早押しテーブルには高知と徳島が3チームずつで6チームしか残ってなかった。
▼第30問
「光GENJIのヒット曲「奇跡の女神」/」
押したのは唯一の男女混成チーム・土佐塾高校だが答えられず。続きは「「奇跡の女神」に登場する女神とは?(ビーナス)」だった。
▼第31問
「農作物を守るためにたんぼにいる「スケアクロウ」。日本語に訳すと?」
「かかし」を学芸が答える。

わからなかったけど「たんぼにいる」ということから判断して押すべきだった。
しかもこの問題は第8巻にイラスト入りで掲載されていた。高校生クイズの過去問は中学時代から一通り読んでたのにな~。
ここのジェスチャーで学芸は5Pとる。
▼第32問
「ドラえもんが助ける男の子はのび太。ではまじかる/」

学芸「本丸」
福澤さん「正確に」
学芸「江戸城本丸」
正解のチャイムが鳴る。

「ドラえもん…」と聞いた瞬間にわかるかも!と思ったが「まじかる」では反応できなかった。
「本丸」と聞いても何のことかわからず「ではまじかるタルるートくんが助ける…」と問題文の続きを読まれてようやく「あああれか」とわかった
(当時ジャンプは読んでいたがこの漫画はあまり読んでなかった)。

学芸はさっき5問とっている。今度5問とられたら終わり。祈るような気持ちで見つめていた。
しかしお題が難しかったのか学芸はここでは4問しか正解できず。
タイムアップになった瞬間、I井は「ほぅーーー」と大きいため息をついた。

これで学芸9P、高知5P、土佐塾0P。次は勝負にいくしかない。
▼第33問
「トチノキとクスノキ。防虫剤に使われる樟脳/の原料…」

正確なポイントは忘れたがこのへんだったと思う。
学芸も押してたみたいだけどコンマ何秒か僕が押し勝った。
「高知高校!」と福澤さんが指名してる時、後ろから学芸が「トチノキや、しまったー、トチノキ」とウソの答えを教えてきた。

しかし僕はカンで押したわけではなく、知ってたので「クスノキ!」と自信満々に答えた。

これが最後のチャンスになるかもしれない。ステージに向かう僕らに既に抜けてるO本チームが「頑張れよ!」と声をかけてくれた。

ジェスチャーで4問答えさせて9Pでリーチ。
しかし最後のお題が「石焼きいも」で苦労した。
「女性とかが冬に屋台で食べるもの!」と言って「いも」までは言わせたがなかなか「石焼き」を言ってくれない。
「その上に少しつけて!屋台、屋台!暖かい!」など言ってなんとか「石焼きいも」まで言わせて勝ち抜け。

このシーン、OAでは僕たちが勝ち抜けた後、学芸の悔しそうな顔のアップになる。
しかし早押しのとこは全てカットされてるのでそれまでの僕たちと学芸のデッドヒートを視聴者は知らない。
だったらあんなウソの答えを教える人たちをうつさず、僕たちをもっとうつして欲しかったな(笑)。

しかし福澤さんの「よしよし、これで高知高校が2チーム高知県代表になりました(※決勝進出の間違い)」というセリフはOAに乗ってたし、このシーンは好き。
勝ち抜けてたO本たちもステージに乱入してきて喜んでくれた。
▼この時はすごく暑く、また長時間かかった(テープチェンジを3回くらいした)。
勝ち抜けた後はテントの中に設けられた飲料水置き場で水をがぶがぶ飲んだ。
しかし福澤さんやスタッフは休みなしでずっとやってるのですごい。

O本たちと話してるとヒゲを生やした偉い立場っぽい人が「いやーすごい戦いだったね」と話しかけて来た。
(この人は第13回ウルトラクイズのロサンゼルスで早押し機のチェックしてた人だと思う)。

まだ徳島が終わってなく時間があったのでいろいろ話をした。
「前の日からホテルに泊まった」というと
「そういうことをしなくてもいいように俺らは時間を考えてやってるのに!」と言われたけど午前10時に香川集合なんて高知県人にはかなり厳しい。
一応僕らの高校は高知市に所在しているが、私立なので高知市以外から通っている生徒も多かった。特に須崎市からJRで1時間以上かけて通学してる人が多く、昨年参加した9人のうち5人が須崎組だった。

午前7時くらいに高知駅を出れば間に合うかもしれないが須崎組に午前7時に高知駅に集合しろというのは酷だし、そこまでするくらいなら小旅行を兼ねて前泊したかった。

少しして徳島の最後のチーム・小松島高校が勝ち抜けて終了。
2×5県で10チーム勝ち抜けだけどO本チームは8番目、僕たちは9番目と非常に遅かった。

1番最初に勝ち抜けた高松高校は待ちくたびれたと思う(笑)。
▼少し休憩して決勝戦の場所まで徒歩で移動。
決勝戦の場所は準決勝の場所から徒歩5分くらいのとこだった。

当然、早押しテーブルがあると思っていたがそれらしいものがなく、「高知県」と書かれたプレートがぶらさがっていた。
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